【回避義務が焦点 海自艦衝突事故】

波は穏やかで天候も良く、見通しにも問題はありませんでした。しかし、悲劇は起きてしまいました。海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と小型船「とびうお」が衝突した事故で、とびうおの乗員4人のうち、船長と釣り客の2人が亡くなりました。どうして事故は起きたのか。
事故発生前、両船は同方向を航行していました。右側におおすみ、左側にとびうお。とびうおの乗員で、救助された方の一人は、おおすみの前方を航行していたところ、おおすみが追い越そうとしてきたといいます。両船の距離が4~5㍍ほど前に警笛が鳴ったが、間に合わなかったそうです。「当たるとは思わんかった。(船長は)警笛が鳴りだしてから気づいたのではないか」
この方の証言が事実であれば、回避義務は「おおすみ」にあります。海上衝突予防法では、追い越す船が確実に追い越し、十分遠ざかる必要があると定めています。しかし、海上保安庁の捜査はこれからで、運輸安全委員会と連携しながら、当時の現場状況を確認していきます。

【参考記事】
16日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)1面、3面、社会面
同日付 読売新聞朝刊(同版)1面、3面、社会面
同日付 日本経済新聞朝刊(同版)社会面

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